ブレークスルーと呼ばれる新型コロナウイルスのワクチン接種が完了している感染者もウイルスを人にうつす可能性があるとして、マスク着用に関するガイドラインが改められました。
ブレークスルーの感染が各地で報告されています。マサチューセッツ州のプロビンスタウンでは、新型コロナウイルスの集団感染が発生し、29日木曜日の段階で900人近くの感染が確認されました。そのうち、74%がワクチン接種完了者でした。
ネブラスカ州に住む80歳の女性は、去年12月に新型コロナウイルスに感染、2月にワクチン接種を完了していましいたが、今月、再び陽性が確認されました。症状は軽いものでしたが、肺にも影響が出たということです。女性は「もし接種を受けていなかったら人工呼吸器が、必要になっただろうと医師に言われました。」と語りました。
そうした中、27日火曜日、CDC疾病対策センターは、マスク着用のガイドラインを改め、感染が拡大している地域では、ワクチン接種完了者も屋内ではマスクを着用するべきとしました。CDCのワレンスキー所長は「まれに、接種完了者がデルタ株に感染し、人にうつす可能性があります。この新たな知見は気がかりです。」と語りました。従来の新型コロナウイルスでは、接種完了者から ウイルスがうつる可能性は低いと見られていました。しかし、CDCが、ブレークスルー感染について調査をしたところ、接種完了者からウイルスがうつる可能性があることが分かったということです。CDCのワレンスキー所長は「接種完了後に感染した人のウイルス量を調べたところ、未接種で感染した人と同程度でした。」と語りました。接種完了者の屋内でのマスク着用は、自分を守るためだけでなく、他の人にうつすのを防ぐためだとしています。
また、今月発表した学校でのマスク着用についてのガイドラインも改め、ワクチン接種の有無関わらず、全ての生徒と教職員がマスクを着用するべきだとしています。