ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事のセクハラ疑惑について、 5ヶ月にわたり捜査を行ってきた州司法長官がセクハラ行為があったことを認定。知事の弾劾を求める動きが出てきています。
3日火曜日、ニューヨークの州司法長官は、クオモ知事が現役の部下を含む11人の女性に対し、同意なく体に触れたり、性的な発言などで有害な職場環境を作り出し、セクハラをしていたとする捜査結果を発表しました。ニューヨーク州レティシア・ジェームズ司法長官は「クオモ知事は、複数の女性にセクハラ行為を行い、連邦法と州法に違反しました。」と会見で語りました。
捜査は5月間にわたり、179人に聞き取り調査が行われ、7万4000点以上の証拠が検証されたということです。捜査を担当した弁護士は「クオモ知事は、知事公邸で職員の1人に抱きつき、ブラウスの下に手を入れ胸を触りました。」と会見で語りました。
また、クオモ知事の警備に当たっていた女性の州警察官に対してもセクハラ行為があったということです。捜査を担当した弁護士は「知事はエレベーターで女性警察官の後ろに立ち、首から背中にかけて指で触り声をかけたました。」と会見で語りました。
司法長官の会見後、クオモ知事は動画を公開し、不適切に女性を触ったことはないと主張しました。動画には、自身が多くの 女性や男性に抱き着いたりキスをしたり している様子が映し出され、クオモ知事は、こうした行為に性的な意味はないと主張しました。クオモ知事「リラックスさせ、喜ばせようとしました。人間関係を築こうとしました。感謝や親しみを表現しました。世代や価値観の違いもあり、今は迷惑だったと理解しています。今回のことで学びました。」
これを受けて、民主党議員らからクオモ知事に辞任を求める声が出ています。また、バイデン大統領も辞任を求めました。
セクハラ行為は断固として否定しているクオモ知事ですが、州議会議員の一部からは、9月にもクオモ知事に対する弾劾裁判を行うべきとする声も出ているということです。ニューヨーク州の弾劾は、まず下院の単純過半数と上院の裁判で3分の2の票で成立します。150名からなる現在のニューヨーク州議会下院では過半数の76名以上の賛成が必要ですが、知事が辞任を拒むのであれば弾劾裁判の手続きを進めるべきと考える議員が86人いると報道されています。ニューヨークでは上院の弾劾裁判が始まった時点で、知事は全ての権限を放棄する必要があります。
コロナ禍で発揮したリーダーシップで、一時は大統領候補にとの声も出ていたクオモ知事。来年には4期目を目指して出馬する意向を示していましたが、それまで知事職についていられるかどうかも不透明な状況になってきました。