フロリダ州にあるトランプ前大統領の邸宅「マールアラーゴ」を家宅捜索した理由について、 司法省が、捜査を妨害するために機密文書などが隠されていた疑いがあったと説明していたことが明らかになりました。
先月8日にFBI連邦捜査局がマール アラーゴを家宅捜索し、機密文書100点以上を含む33箱分の資料を押収したことについて、先月30日火曜日、司法省は家宅捜索を行った理由を説明する書面を連邦地裁に提出しました。
それによると、トランプ氏側がホワイトハウスから持ち出した全ての文書を今年6月に引き渡したとしていたものの、公文書が保管部屋の外に持ち出され、隠されたことを示す証拠や、捜査を妨害する措置がとられた可能性が高いこを示す証拠が見つかったとしています。司法省は8月の捜索の際に撮られた写真も提出しており、そこには、最高機密などと記された文書が複数映し出されています。発見された機密文書のうち3点は箱や保管室ではなく、トランプ氏の机の中にあったということです。
また、これに先立ち、先月26日金曜日、フロリダ州連邦地裁の決定に基づき、司法省はこの捜索の令状を請求するために使用した宣誓供述書の一部を公開しました。宣誓供述書は32ページにおよび、その大部分が黒塗りされています。
この宣誓供述書によると、国立公文書館が1月にマールアラーゴから回収した15箱分の資料の中に184点の機密文書が含まれており、そのうち25点は最高機密の文書だったということです。それらの多くが、新聞や雑誌、写真などとまぎれて保管されており、最高機密が不適切に扱われていたおそれ懸念があるとした上で、この他にも国防情報などの機密文書が残されていると信じるに足る理由があると捜索の必要性を説明しています。
また、宣誓供述書によると回収された機密文書にはスパイや情報提供者の情報も含まれていたということです。元国家安全保障担当司法次官補のマリー・マックコード氏は「連邦政府は誰が機密文書を見たのか、国家の安全が脅かされるのかを判断します。」と語りました。
トランプ氏側は、大統領として機密を解除する権限を持っていたとしています。しかし、検察はトランプ氏が在任中に機密を解除した形跡はないとしています。
専門家は、司法省が政府記録の隠蔽や除去を禁止する連邦法に触れる行為があったかどうかを含めて調査していることから、前大統領の起訴という前例のない事態も視野に入れて捜査を行なっている可能性があるとしています。