これまでの全米の感染者数が4000万人を超えました。専門家は、先週末のレイバーデー連休後、さらに感染者が増加すると警戒しています。
レイバーデイの休日、6日月曜日の空港利用者数はおよそ200万人となり、パンデミック前の2019年に近い人出となりました。約4300万人が車で旅行に出かけたとされています。ブラウン大学公衆衛生学部アシシュ・ジャー学部長は「感染者は増加はするでしょう。これまで休日の後には、感染者や入院患者が増加しました。」と語りました。全米の1日の新規感染者数は16万3000人以上(CDC 9/8)、感染による入院患数は10万人以上(HHS 9/9) 、1日の感染による死亡者数は1600人以上となっています(CDC 9/8)。アイダホ州の病院で集中治療室を担当ずる看護師は「マスクを着けずに〈もう再開した、自由だ〉と言っている人を見るとむなしくなります 。」と語りました。
一方で、新学期が始まり通学が再開された地域も多く、子供への感染拡大が懸念されています。7日火曜日に発表されたアメリカ小児科学会の報告によると子供の感染者数は、1週間で25万2000人以上となり、パンデミック始まって以来最多となりました。テキサス州では8月に新学期が始まって以来、約5万2000人の生徒の感染者が確認され、少なくとも45の学区がオンライン授業に切り替えています。6日月曜日の段階で、全米35州1400校が対面式授業を見合わせています。9日木曜日、カリフォルニア州ロサンゼルス郡は、対面式授業を受ける12歳以上の生徒に対しワクチン接種を義務化しました。次の学期までには通学に接種証明が必要になるということです。
一方、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームが推奨した一般の人へのワクチンの追加接種・ブースターショットについて、ファイザー製は9月20日から、モデルナ製は今月末頃から実施されると見られています。しかし、専門家の間では、議論が続いています。 ブラウン大学公衆衛生学部アシシュ・ジャー学部長は「数週間で健康な人への追加接種が有効だと判明すればよいですが、それまでは追加接種を勧めません。」と語りました。追加接種について、FDA食品医薬品局の承認とCDC疾病対策センターの有識者委員会からの推奨が待たれています。
そうした中、9日木曜日、バイデン大統領は、デルタ株への対策とワクチン接種を進めるための新たな指針を発表しました。100人以上を雇用している企業に対し、従業員のワクチン接種、または週1回の感染検査を義務化、また、連邦政府機関の全職員にワクチン接種を義務化するなどおよそ1億人に影響が及ぶと見られています。