カリフォルニア州の母親であり妻であった女が誘拐事件をでっち上げ、 被害者のふりをして全米の注目を集めた事件で、連邦地裁は検察が求刑した期間の2倍以上の実刑を言い渡しました。
19日月曜日、カリフォルニア州サクラメントの連邦地裁はシェリー・パピーニ被告40歳に18カ月の実刑判決を言い渡しわしました。
事件が起きたのは2016年11月です。当時34歳のパピー二被告がジョギングに出かけたまま行方不明となり、全米で大きく報じられました。その3週間後、パピーニ被告は高速道路で、鎖で拘束された状態で発見されました。その時、被告が「助けて」と自ら通報した際の音声が残されています。パピーニ被告は、ヒスパニック系の女2人に誘拐され暴行を受け、体に焼き印を押されたと話していました。発見から数日後、被告の夫は「顔も負傷していて、あちこちにアザがあります。」と涙ながらに被告の状態を語りました。
しかし、発見から3年後の2020年、パピーニ被告の服に付着していたDNAから元交際相手の男性が捜査線に浮上しました。捜査当局によると、誘拐事件は自作自演で、全てパピーニ被告により計画されたもので、行方不明の間は元交際相手と過ごしており、発見時のケガは自傷行為によるものだったということです。
取り調べの際、被告は泣きながら流し取り乱しました。
「悪いことは何もしていません 」
「他の男性と話しただけなのに(刑事:なぜそうなったと思いますか)」
「夫を愛してます。他の男性と話したのは間違いでした。」
取り調べで被告の矛盾点が次第にあらわになっていく様子を目の当たりにした夫は「自宅に戻っていいと言いますが、妻に子供や私に近づいてほしくない」と刑事に話しました。
今年4月、パピーニ被告は司法取引に応じ、誘拐事件についてFBI連邦捜査局に嘘の発言をしたとして有罪を認めました。検察は8カ月の実刑を求めていましたが、裁判官は、被告の虚偽の証言で地域の人々が恐怖の中で暮らしていたこと、ヒスパニック系の人々が疑いの目にさらされたことなどを考慮し、18カ月の実刑を言い渡しました。パピーニ被告の夫は離婚を申請し、子供の親権を求めています。