フロリダ州にカテゴリー4の大型ハリケーンが上陸し州に史上最悪の被害をもたらしました。
29日木曜日、フロリダ州ではハリケーン「イアン」上陸から一夜明け、被害の状況が徐々に明らかになってきました。ガレキが散乱し、道路は分裂、ボートは陸に打ち上げられています。被害者と行方不明者の数はまだ明らかになっていません。ジョー・バイデン大統領はFEMA連邦緊急事態管理庁で会見を行い「州史上最悪の被害をもたした可能性があり、多数の犠牲者がでた可能性があります。」と語りました。
ハリケーン「イアン」は、28日水曜日午後3時頃、カテゴリー5に近いカテゴリー4の勢力でフロリダ州南西部のフォートマイヤーズ近郊に上陸しました。暴風と豪雨に加え、ハリケーンで海面が上昇し沿岸部では車が水没し、水面は屋根近くまで達しました。現地を取材していたABCニュース記者は「ここからは海岸線が見えるのですが、ハリケーンで大きな波が押し寄せています。中庭にはプールがあるのですが、冠水して全く見せません。流れてきたガレキにはドアもあります 。」とリポートしました。
ハリケーンの影響で沿岸部の地図は広範囲が冠水した状態になりました。ハリケーンは熱帯低気圧に勢力を落としながらもフロリダ州北東部を通過し、州の広範囲で冠水の被害をもたらしました。フロリダ州 ロン・デサンティス知事は会見で「記録的な冠水の被害がでています。上陸地点から何百マイルも離れた場所まで冠水しています。」と語りました。
ハリケーン上陸前にフロリダ州は非常事態宣言を発令し、約250万人に避難を呼びかけました。多くの人が事前に避難しましたが、それでも各地で救助が必要な状況となりました。ハリケーンが直撃したフォートマイヤーズ近郊のリー郡では、冠水のため救助を求める通報が相次ぎました。救急通報の交換手は「車が水没したと話し、通話が切れました。生死は不明です。」と語りました。リー郡保安当局は「救助を求める通報が何千件もあり、優先順位を付けざるを得ない状況です。」と語りました。オレンジ郡の老人ホームでは、設が冠水する可能性があるとして100人以上の入居者の救助を要請する事態となりました。
また、ハリケーンが通過した地域の広範囲で停電の被害がでており、29日木曜日夕方の段階で少なくとも260万世帯で停電が続いています。一旦は勢力を弱めた「イアン」ですが、その後、再びハリケーンとなり、30日金曜日にサウスカロライナ州に上陸するとみられています。