歌手のブリトニー・スピアーズさんが父親による成年後見人制度の解除を求めている裁判で、ブリトニーさんの申し立てが認められ、父親の権限が停止されました。
先月29日水曜日、カリフォルニア州ロサンゼルスの裁判所前には、ブリトニーさんの支持者が集まりました。
ブリトニーさんが解除を求めている成年後見人制度とは、意思決定能力のない人の代わりに財産管理や個人的な事柄の判断を選任された人が行うというものです。ブリトニーさんが精神的に不安定だったことを理由に、2008年から父親のジェイミーさんが成年後見人を務めてきました。2019年以降、個人的な事柄の判断に関してはジェイミーさんは後見人を退いています。しかし、6000万ドルあるとされるブリトニーさんの財産管理に関しては、ジェイミーさんが13年にわたり後見人を務めてきました。
今年6月に行われた審問で、ブリトニーさんは初めて公の場で後見人制度について語り「虐待だ」と証言しました。交際相手が運転する車への乗車を禁止されたり、ブリトニーさんの意思に反して子宮内避妊妊具を付けさせられたり、結婚や子供を持つことも禁じられていたと証言しました。
29日水曜日に行われた審問で、裁判官はブリトニーさんの置かれている環境は有害だとし、ジェイミーさんの財産を管理する権限を停止しました。今後は、ブリトニーさんの弁護士に指名された会計士が暫定的に財産管理を務めます。ブリトニーさんの弁護士は「次の審問がある11月12日までに後見人制度の解除を期待します。」と語りました。
ブリトニーさんの自由を求める 「フリーブリトニー」の活動が広がり、成年後見人制度の 法改正を求める声も上がっています。人権団体の代表は「成年後見人に管理されている人は囚人よりも権利が限られます。」と語りました。
父親のジェイミーさんは全ては娘のためにしたことだと語っています。しかし、ブリトニーさん側は、13年間におよぶジェイミーさんの後見人としての行動に違法性がなかったかどうかの調査を求めています。というのもブリトニーさんのお金で父親のジェイミーさんが依頼した警備会社のスタッフがメディアのインタビューに答え、父親の指示で当時、ブリトニーさんのベッドルームを盗聴していたことなどと語っており、違法行為があった可能性が浮上しています。また、ブリトニーさんの財産から支払われた父親の弁護士や関係者への多額の報酬などについても明らかになっており、今後の動きに注目が集まっています。