新型コロナウイルスの影響で物流の遅延が深刻化しています。全米の小売店で商品の品薄が見られており、年末商戦への影響も心配されています。
品薄状態となっているのは食品からコンピュータまで幅広く、一部の地域では日用品のパニック買いが起きたパンデミック初期のような深刻さだということです。会員制倉庫型卸売りのコストコでは、在庫を懸念して再びトイレットペーパーの購入個数制限を設けています。新型コロナウイルス、デルタ株によるアジア経済の打撃で生産量が激減していることが、一つの要因とみられています。ムーディーズ・アナリティックスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「クリスマスのプレゼントを今から買い始めた方がいいでしょう。配達に時間がかかる可能性があります。」と語りました。
また、流通システム全般の人手不足が深刻な問題となっています。港や運送業で働く人が不足し、貨物の積み下ろしが滞り、多くの貨物船が港に入れず、沖で停泊している状況です。 ABCニュースの記者は「注文したソファや早めに買ったホリデーギフトは、ここで滞っているかもしれません。ロサンゼルス港からロングビーチ港の間で100隻近くの貨物船が入港待ちしています。」と報じました。コロナ禍で巣ごもり需要が引き続き好調の中、ウォルマートやターゲットなど大手小売店は、貨物船をチャーターして商品の品薄回避を試みています。こうした事態は東海岸の港でも起きていて、主要な港での混雑は来年のはじめまで続くとみられています。