アメリカの製薬大手が開発中の新型コロナウイルスを治療する飲み薬が、世界初の実用化へ向け大きく前進しました。
1日金曜日、アメリカ製薬大手のメルクは、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」について、治験の中間報告から入院と死亡のリスクを半分に抑える効果があると発表しました。製薬大手メルクのロバート・デイビスCEOは「家庭で服用できる飲み薬で、入院や死亡のリスクを大幅に減少させます。」と語りました。
これは患者の感染が確認された後すぐ、12時間ごとに4錠を5日間服用する飲み薬です。治験は入院していない軽度から中度の感染患者775人を対象に行われ、すべての治験参加者が重症化しやすい要因を少なくとも1つ持っていました。治験開始から29日後、薬を服用していたグループでは死亡者がゼロでしたが、偽薬を服用していたグループでは8人が死亡しました。また、この治療薬はデルタ株など変異ウイルスへの感染にも同等の効果があったということです。
製薬大手メルクのロバート・デイビスCEOは「これは経口抗ウイルス薬の一種です。5日間の服用でウイルスのRNAに作用し、増殖を止めます。」と語りました。メルクは、良好な治験結果が得られたため、3段階の治験を1カ月以上繰り上げて終了し、FDA食品医薬品局に緊急使用許可の申請を進めるとしています。承認されれば世界初の新型コロナウイルス向けの飲み薬となります。