カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の沖合で、パイプラインの破損から大量の原油が流出しました。
カリフォルニア州南部のハンティントンビーチ沖合で原油の大量流出が発生しました。当局は、周辺の海岸を閉鎖し、原油の回収作業を進めています。ハンティントンビーチのキム・カー市長は「生態系に被害が及ぶ恐れがあります。原油流出は地域に大きな影響を及ぼします。」と会見で語りました。最大で14万4000ガロンの原油が流出しており、約13平方マイル(34㎢)に広がっているということです。流出油の除去組織 MSRCのスーパーバイザーは「鳥が原油にまみれていたり、魚が海岸に打ち上げられたりしています。」と語りました。一部の野鳥は、専門家により救助されています。
原油は海岸から約4.5マイル(7㎞)離れた場所にある破損したパイプラインから流出しており、沿岸警備隊は、沖に停泊している貨物船のいかりが破損を引き起こした可能性について調査を進めています。沿岸警備隊は「多くの船が入港を待って停泊しており、パイプラインの上を通過した可能性があります。」と語りました。
パイプラインを所有する石油生産会社アンプリファイ・エナジーは、2日土曜日朝に 原油流出の可能性を沿岸警備隊に報告し、3日日曜日までにパイプラインを遮断し、流出は止まったとしています。しかし、ABCニュースによると、1日金曜日の夜、海面に油が浮いていると商業船から通報があったということです。また、2日未明にはアメリカ海洋大気庁が、海面の原油を衛星写真でとらえていました。
この原油流出による損害を被ったとする個人や事業主が、石油生産会社などを相手どり、集団訴訟を起こしています。今回の事故では、石油生産会社の対応の遅れから被害が拡大した可能性が指摘されており、事実関係の調査が求められています。