アメリカでは物流の遅延による品不足が物価の上昇を招いています。ホリデーシーズンを前にバイデン大統領が対策に乗り出しました。
13日水曜日、バイデン大統領は物流遅延の解消に向け、港湾運営会社や小売り大手、物流大手と連携し、カリフォルニア州のロサンゼルス港を7日間24時間体制で稼働すると発表しました。UPSやフェデックスなどの物流大手は深夜業務を拡大するとしています。バイデン大統領は「これで製造元から小売店や顧客に商品を届ける物流が大きく改善されるでしょう。」と語りました。カリフォルニア州のロサンゼルス港とロングビーチ港では、アメリカ国内に入る コンテナの40%を扱っています。ロングビーチ港は物流の遅延を減らすため、先月から24時間稼働しています。
港や運送業の人手不足などからコンテナ船が入港できずに沖で停泊し、荷降ろしされたコンテナも港で陸上輸送されるのを待っている状況が続いています。物流の遅延から、スーパーマーケットでは、空の棚が目立つ品薄状態となっています。ホリデーシーズンに向け、トースター、スニーカー、自転車、おもちゃなどの品不足も懸念されています。玩具販売店の店員は「いくつかの商品はもう届きません。いくつかの玩具メーカーは、飛行機、貨物列車、運送トラック車を自社で借りると話しています。」と語りました。
一方、品不足の影響からあらゆる商品が値上がりしています。前年比で、紙おむつが9%、洋服が4.2%、新車が7.6%、食肉が8.6%、卵がおよそ10%値上がりしました。
物価の上昇を受け年金などを取り扱うSSA,ソーシャルセキュリティー アドミニストレーションは、2022年の受給金額を5.9%引き上げると発表しました。これはこの40年で最大の引き上げで 平均受給金額は月$92増えて$1,657になるということです。しかし、専門家はソーシャルセキュリティーに頼る高齢者はこの1年コロナ禍での物価上昇の直撃を受けてきた上に、インフレは来年も続くとみており、生活が楽になるとは考えにくいとしています。