カリブ海のハイチでアメリカ人宣教師ら17人が誘拐され1700万ドルの身代金が要求されました。
現地時間の16日土曜日、アメリカ人16人とカナダ国籍1人の17人が現地のギャング団に誘拐されました。17人のうち5人は子供で生後8カ月の乳児もいるということです。犯行グループはハイチで最も危険とされるギャング団で、一人あたり100万ドル合計1700万ドルの身代金を要求しています。
誘拐された17人はオハイオ州を拠点とするキリスト教支援団体から派遣されており、ハイチで住宅建設や教育などの人道支援にあたっていました。支援する孤児院を訪問した帰りの車でギャング団に止められ、誘拐されたということです。ハイチタイムズ創刊者・編集者は「護衛車やバス、タクシーなどを襲う彼らの手口と一致します。」と語りました。FBI連邦捜査局が捜査に乗り出し、犯行グループと連絡をとり、人質解放に向けて交渉をしているとみられています。
ハイチでは今年7月に大統領が暗殺され、8月には2000人以上の死亡者を出す大規模な地震が発生し、混乱が続いています。そのため無法状態に陥り、首都ポルトープランス約半分がギャング団に支配されていると言われています。
ある人権団体の調査によりますと、今年1月から9月に報告されただけでも628人が誘拐されたということです。ギャング団のリーダーは21日木曜日、身代金が支払われない場合は人質を殺害すると脅迫しました。専門家は、ギャング団による誘拐には政治的な思惑はなく、単に金目的であることから、人質は無事であろうとしています。