フロリダ州の高校で2018年に生徒ら17人が殺害され、17人が負傷した銃乱射事件の裁判で、無罪を主張していた被告が一転、起訴内容を全面的に認めました。
20日水曜日、フロリダ州パークランドの高校で発生した銃乱射事件で、17件の第1級殺人と17件の殺人未遂の罪に問われていたニコラス・クルーズ被告の審理が州地裁で行われました。裁判官は、1件1件被害者の名前と罪状を読み上げ、被告は1件1件、有罪を認めていきました。
裁判官「16件目、ジェイミー・グッテンバーグさんに対する第1級殺人罪についてどう主張しますか?」 被告「有罪です。」 裁判官「17件目、ピーター・ワンさんに対する第1級殺人罪についてどう主張しますか?」被告「有罪です。」
2018年2月、当時19歳だったクルーズ被告は、1年前に退学になったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校に半自動小銃を持って侵入し、銃を乱射。14人の生徒を含む17人が死亡、17人が重軽傷を負いました。
クルーズ被告の弁護団は当初、無罪を主張していましたが、これを覆し、全ての罪状で有罪を認める形となりました。検察側が求めている死刑を免れるのが、弁護側の狙いと見られています。法廷でクルーズ被告は遺族に対し、自身の犯行について謝罪しました。
被告「大変申しわけない事をしたと思っています。毎日、自責の念に駆られています。もう一度チャンスをもらえるなら、人助けをしていきます。みなさんのために有罪を認めました。信じてもらえなくてもかまいません。みなさんを大切に思っています。」
法廷でクルーズ被告の謝罪を聞いていた遺族は不快感をあらわにしました。記者「殺人犯の謝罪をどう思いましたか?」 事件で死亡した生徒の母親「無意味です。謝罪して死刑を免れようとしているだけ。」事件で死亡した生徒の父親「人生で最も耐え難い経験でした。いや、2番目ですね。最も耐え難かったのは娘の亡骸を抱きしめたときです。」
被告が有罪を認めたことで次は量刑の言い渡しとなり、来年1月4日に陪審員の選定が始まる予定です。
この事件後、高校生を中心に銃規制強化を求める活動が全米に広がり、ワシントンDCなど全米各地で大規模な集会が開かれ、1つのムーブメントとなりました。しかし、3年以上が経った今もアメリカの銃規制は変わっていないのが現状です。