アメリカでは新型コロナウイルスの感染第2波が懸念されています。
アメリカでの感染による死亡者数は22万3000人を超えました。 22日木曜日、1日の死亡者数が994人報告され、過去3週間で最多となりました。また、19日月曜日の時点で、1日の新規感染者数は7日間の平均で5万5000人以上となり、最も感染者数が多かった時期の数に迫っています。感染による入院患者数は40州で増加、そのうち6つの州では過去最多になっています。
メキシコとの国境に接するテキサス州エルパソでは、急激な感染拡大に直面していて、今月1日と比較し、22日木曜日の時点で、1日の新規感染者数が450%増加しています。 医師は「入院患者数がこれまでになく急増していて、パンデミックが始まって以来、最多の状態です。」と語りました。
ウィスコンシン州でも、感染拡大が続いていて、20日火曜日、新規感染者数が4500人以上で過去最多を記録。感染による死亡者数も増加していて、21日水曜日、48人の死亡が確認され、過去最多となりました。
イリノイ州では、先週、1週間の新規感染者数が、パンデミック始まって以来最も多く、シカゴでは、2週間平均でみた、1日の新規感染者数が500人以上となり、今月始めと比較して50%増加しました。19日月曜日、シカゴ市長は、感染第2波の真っ只中にいると警戒を呼びかけ、会見で「シカゴは感染第2波に入っています。第1波の5月以来の 感染者数増加です 。」と語りました。シカゴ郊外の4つの群では、陽性率が3日連続で8%を超えた地域があり、23日金曜日からレストランやバーでの屋内飲食を禁止する措置がとられます。
マサチューセッツ州ボストンでは、先週の陽性率が5.7%に上昇したことを受け、22日木曜日から再開予定だった公立学校の対面式授業が中止され、オンライン授業のみに切り替られると発表されました。 児童の母親は「シッターを探すのが大変です。仕事にも大きく影響します。」と語りました。
一方、21日水曜日、ワクチン開発でトランプ政権が取り組んでいる「オペレーション・ワープ・スピード」の最高顧問モンセフ・スラウイ博士 がワクチンの配布時期について語りました。 スラウイ博士 は「計画では6月までに全米で免疫を獲得できるよう準備をしています。十分なワクチンを用意しています。みんなに接種していただきたいです。」とABC記者のインタビューで話しました。
そうした中、FDA食品医薬品局は新型コロナウイルスの治療薬として、レムデシビルを正式に承認しました。レムデシビルについてはWHO世界保健機関が効果なしと結論づけていますが、FDAは治療期間が11日から15日短縮したというデータなど複数の調査結果を元に、今回の承認に踏み切ったとしています。