コロナ禍での追加経済支援策が待たれている中、スモールビジネスの経営者らは危機感を募らせています。
多く雇用の45%を占めている全米の小売店やスモールビジネスは、パンデミックでの経済封鎖と行動制限でかつてない苦境に立たされています。ニューヨーク市では、パンデミックが始まった3月以降、2800のスモールビジネスが休業、その3分の1は、廃業を余儀なくされると予測されています。ノースカロライナ州のバー経営者はこれまで必死に経営を続けてきたといい、「長年かけて築いた全てを失うのではと心配でなりません。バイク、ソファー、椅子など家にあったあらゆるものを売りました。」と語りました。カリフォルニア州に6つの劇場を有する映画館チェーン「マヤシネマ」の創業者モクテズマ・エスパルザ氏は「映画館をやめるかどうかの瀬戸際です。大事にしていた従業員350人を一時解雇せざるをえませんでした。」と厳しい現状を語りました。
また、20日火曜日、カリフォルニア州は、 ディズニーランドなどの大規模テーマパークの再開について、感染者数が7日間の平均で10万人あたり、1人未満の水準に落ちるまで許可しない方針を明らかにしました。ディズニーランドがあるオレンジ郡では、現在、感染者数が10万人あたり4人~7人の状況で、再開にはさらに数カ月はかかる可能性があります。 ディズニーランドは声明を発表し、徹底した健康管理と安全対策を行っていて、再開の準備はできているとした上で「州はこれを無視して恣意的に実行不可能なガイドラインを設けた」 と州を非難しました。州の判断は、ディズニーランド周辺でホテルやレストラン、送迎サービス業を営む経営者たちにとっても大きな打撃になると懸念されています。送迎サービス業の経営者は「生きるのに精一杯です。そろそろ限界です。」と語りました。
11月の大統領選前に追加経済支援策の法案通過を目指し、今週も、民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官との間で協議が進められました。22日木曜日、ペロシ下院議長は、法案が合意に近づいたとした上で、法案作成には、まだ時間を要すると語り、大統領選前までに採決に持ち込むことについては慎重な見方を示しました。
アメリカ労働省の発表によりますと、先週1週間の新たな失業保険申請件数は78万7千件で80万件を下回りました。また、失業保険を受け取っている人は、およそ100万人減って840万人とされこちらも改善の兆候が見られます。しかし全米で再び感染が拡大していることから、予断を許さない状況だと専門家は見ています。