RSウイルスと呼ばれる呼吸器合胞体ウイルスの感染が広がり、全米で小児病院の入院患者が増えています。
全米、43州とワシントンDCで呼吸器系疾患で入院する子供が増加しています。全米の小児病床の使用率は過去2年で最多となっています。9つの州とワシントンDCでは小児用病床が80%以上埋まっている状況で、テキサス州を含む5つの州では90%以上となっています。テキサス州のクック小児病院では、RSウイルスと呼ばれる呼吸器合胞体ウイルスの感染患者を1日に300人近く治療したといいます。医師は「RSウイルス患者が過去最多です。」と語りました。
RSウイルスは、寒い季節に感染が広がり、乳児が入院する主な原因となっています。また、症状により乳幼児の命に関わる恐れもあり、CDC疾病対策センターは5歳未満の子供が重症化しやすいとしています。気温の低下にともない、保健当局は、RSウイルスに加えインフルエンザ、新型コロナウイルスの3つのウイルスへの感染について警戒を呼び掛けています。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「マスクを着けなくなり、人と集まることも増え、感染症の患者が急増する恐れがあります。」と語りました。
これまでの新型コロナウイルスの感染対策が、子供の入院増加に関係していると専門家は言います。ミネソタ州ヘネピンヘルスケアの小児科医は「2~3年間、呼吸器系ウイルスに感染せず、免疫が発達しなかった子供たちがいます。それで入院が急増しています。」と語りました。医師は、子供の体調に異常がある場合は、早めに受診するよう呼びかけています。テキサス州小児病院ICU担当医長は「注意が必要なのは 早い呼吸や余計な筋肉を使って呼吸している場合、食欲がない場合、おむつが十分に濡れない場合などです。」と語りました。
また、インフルエンザへの感染も増えており、2週間前にインフルエンザでの入院患者は1300人程でしたが先週は1700人近くになっています。RSウイルスのワクチンはありませんが、専門家は、インフルエンザの予防接種と新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるよう進めています。