新型コロナウイルスや悪天候などの影響で世界的に供給網が混乱し、物流の遅延が発生している問題で、これからのホリデーシーズンに向け、各社が対策をとり始めました。
25日月曜日、アマゾンは物流の遅延への対策として、貨物船が入港する港を50%増やし、扱うコンテナの数を2倍にしたと発表しました。貨物航空機は、12月までに85機以上に拡充するとしています。また、15万人の季節労働者を雇用するとしました。アマゾン国際輸送サービス部門ジョン・フェルトン氏は「貨物航空機、輸送トレーラー、トラック、バンを増やし、顧客に荷物を届けるネットワークを最適化しました。」と語りました。
USPSアメリカ郵便公社では、新たに45カ所に設備を設け、112台の選別機を導入。4万人の季節労働者を雇用し、1日に扱う小包を35%増加させるとしています。
アメリカ国内に入るコンテナの40%を扱っているカリフォルニア州の港では、貨物船が沖で待つ状態が続いています。フロリダ州マイアミなど貨物の輸入で主要ではない港では、これを機に利用者を増やそうと試みています。
また、物流遅延の大きな理由のひとつが、トラック運転手の不足です。全米トラック運輸協会によると、物流を正常に戻すにはさらに8万人の運転手が必要で、パンデミック前から30%増加しています。運転手には、今後、ワクチン接種が義務化される可能性があります。アリゾナ州トラック運輸協会の代表は「ほとんどの時間を運転席で過ごすので、接種を受けたくない運転手が多いです。接種を受けないし運転手を失う可能性があり、物流遅延にさらに影響しかねません。」と語りました。人材の争奪戦で、中には年間11万ドルの給与に加え、契約時に1万5000ドルのボーナスを支給する企業も出てきています。