今回の中間選挙では、下院では共和党が過半数の議席を獲得すると見られています。一方、上院は 依然拮抗していて 1議席の差が大きく情勢を変える可能性があり、toss up stateと呼ばれる激戦3州での結果が注目されています。
ジョージア州では、現職の民主党ラファエル・ワーノック議員に対し、政治経験のない元フットボール/スター選手ハーシェル・ウォーカー共和党候補が 0.1%の僅差で逆転しています。共和党で、人工妊娠中絶に反対の立場をとるウォーカー候補は元交際相手に中絶を迫り、その資金を提供したとするスキャンダルが先月報じられましたが、大きな影響は見られずその勢いを緩めていません。
ペンシルベニア州では、現職の州副知事で、選挙戦真っ只中の今年5月に虚血性脳卒中で入院し、回復したばかりの ジョン・フェターマン民主党候補に対し、医師でテレビの人気健康番組「ドクターオズ・ショー」の司会者を長年務め、知名度の高いメーメット・オズ共和党候補との戦いです。先月までの支持率では、フェターマン候補が数ポイント差で優勢でしたが、 現在、その差は0.3%となりオズ候補がジリジリと詰め寄っています。フェターマン候補の支持率低下は、先月25日に行われた候補者同士のディベートで脳卒中の後遺症である言語障害が見られ、健康不安説が再浮上したことが要因の1つとされています。
ネバダ州では、元ネバダ州司法長官のアダム・ラクサルト共和党候補が、現職でラテン系初の上院議員民主党キャサリン・コルテズ・マスト議員に追いつき、0.5%の僅差で逆転しています。
激戦州の共和党候補者の多くがトランプ前大統領の公認候補で、今回の結果が、2年後の大統領選の行方にも大きな影響をもたらすとして異例の注目を浴びる中間選挙となっています。