ナンシー・ペロシ下院議長の自宅に男が侵入し、夫のポール氏が暴行を受け負傷しました。関係当局は中間選挙を目前に控え、暴力行為に警戒を呼びかけています。
先月28日金曜日未明、カリフォルニア州サンフランシスコにあるナンシー・ペロシ下院議長の自宅に男が押し入りました。男は裏口の窓ガラスを割って侵入し、就寝中だった夫のポール氏に「ナンシーはどこだ」と話しかけたと言うことです。ポール氏は男に気づかれないようにバスルームから警察に通報。警察が駆け付けると、男が持っていた金づちでポール氏に殴りかかったということです。サンフランシスコ警察署長は「ポール氏と容疑者が1つの金づちを取り合っていて、容疑者が金づちを奪いポール氏を殴りました。警察官が容疑者に体当たりし拘束しました。」と会見で語りました。
ポール氏は頭蓋骨頭部を骨折する重症を負い、数分間(3分)意識を失いましたが命に別状はないということです。ペロシ氏はこのときワシントンDCに滞在していて不在でした。警察はその場でデイビッド・デパープ容疑者42歳を逮捕しました。
サンフランシスコ地方検事は「事件当時の被害者とのやりとりから、政治的な動機があったことが明らかです。」と会見で語りました。容疑者は右翼的な思想に傾倒していたとされ、ソーシャルメディアに2020年の大統領選でバイデン氏が敗北したという根拠のない陰謀論を掲載していたとみられています。デパープ容疑者は侵入の際、金づちの他に結束バンドとガムテープを所持していました。供述書によるとナンシー・ペロシ氏を「民主党が嘘をつくリーダー」だとし、拘束して膝を骨折させ、車椅子で議会に出れば、他の仲間にメッセージを送れると思ったということです。
デパープ容疑者は殺人未遂や不法侵入などの罪で訴追されました。
連邦議会議員への脅迫は過去最多となっており2017年から2021年で2倍以上に増加しています。国土安全保障省とFBI連邦捜査局は、これから中間選挙後にかけても国内の過激派による議員や選挙関係者に対する暴力行為に警戒する必要があるとしています。
その後の調べでデパープ容疑者はカナダ国籍の不法移民でだということが明らかになりました裁判で有罪が確定し判決がでれば刑期を全うしたのちに強制送還されるということです。