全米で新型コロナウイルス感染による 入院患者が増加している中、最高裁で医療保険のアフォーダブルケア法についての審理が10日火曜日から始まりました。
これは、トランプ政権と共和党率いる18の州が、医療保険のアフォーダブルケア法の無効化を最高裁に求めた裁判です。2014年に施行されたアフォーダブルケア法は、医療保険への加入を義務付け、未加入の場合は罰金を科すというものでしたが、2017年に当時共和党が過半数を占めていた連邦議会下院がこの罰金を事実上廃止する代替法案を可決しました。訴えでは、保険加入の義務付けは違憲であり、罰金という法の1部を廃止したことで、 アフォーダブルケア法そのものが無効になったと主張しています。
アフォーダブルケア法が無効と判断された場合、2100万人以上が医療保険を失うと試算されています。遺伝子疾患を持つ息子に月7000ドルの医療費が必要だという母親は、医療保険を失うことへの不安を 「息子の治療を天秤にかけることになります。」と語りました。現在、最高裁判事は保守派が6人、リベラル派が3人の構成ですが、10日火曜日に行われた口頭弁論では2人の保守派判事が、2017年の議会の判断は罰金の廃止であり、アフォーダブルケア法の撤廃ではないとの意見を述べました。また、先月就任した保守派のバレット最高裁判事も訴えに疑問を呈しました。こうした発言からアフォーダブルケア法の継続の可能性が出てきたとメディアは伝えています。