大統領選から10日たちました。次期政権への移行は進んでいません。
7土曜日、ペンシルベニア州を制し、当選確実が伝えられた民主党候補のバイデン氏は勝利演説を行い「アメリカを結束する大統領になると誓います。共和党も民主党も含めて合衆国です。」と国民に結束を呼びかけました。12日木曜日にはアリゾナ州でもバイデン氏の当選確実が報じられ、さらに差を広げました。
一方、トランプ大統領は、敗北宣言をしておらず、選挙結果をめぐり 法廷闘争を続ける構えです。ほとんどの共和党議員も、バイデン氏の勝利を認めていません。9日月曜日、トランプ政権のバー司法長官は、なんら証拠を提示しないまま、全米の連邦検察官に、選挙に関連する不正行為の捜査を促す異例の書簡を送りました。選挙結果の認定前に司法省が捜査に乗り出すことはタブー視されており司法省内部からも抗議の声があがっています。
11日水曜日、ジョージア州では、共和党所属の州務長官が、両候補の得票差が僅差という理由で、票を手作業で再集計すると発表しました。2000年から2015年までの間、27回、選挙区規模での票の再集計が行われましたが、結果が変わったのは3回で、平均282票のずれにとどまっています。現在、ジョージア州ではバイデン氏が1万4000票リードしていて、結果を覆すのは難しいと見られています。
上下両院の議席をめぐる選挙では、下院は民主党が多数を占めると見られていますが、 上院は100議席のうち、民主党は無所属2人を含め48席、共和党が50議席を獲得しています。残り2議席は、ジョージア州で、いずれの候補者も票の過半数を獲得できなかったことから、それぞれ上位2人の候補による決選投票が、来年1月5日に行われる予定です。
ジョージア州が大統領選の正式な開票結果を出す期限は11月20日(金)、それまでに州全域の約500万票を再集計する必要があります。作業は昼夜を問わず行われる予定で1時間に2万3000票を数える必要があると試算されています。もしバイデン氏がリードを保ち勝利すれば1992年以来、民主党がジョージア州を制することになります。。