次のスティーブ・ジョブスとして注目を浴びたシリコンバレーの若き創業者に実刑判決です。実際には存在しなかった技術で数滴の血液で1000以上の検査が可能だとして、投資家などから9億4500万ドルを集めたセラノス創業者のエリザベス・ホームズ被告に11年以上の実刑が言い渡されました。
カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁は18日金曜日、 今年1月に4件の詐欺罪で有罪評決を受けていたセラノスの創業者、エリザベス・ホームズ被告38歳に禁固11年3カ月の実刑判決を言い渡しました。2人目の子供を妊娠中のホームズ被告は、量刑が言い渡される前に証言台に立ち「体全体で後悔している。以前は世界を変えたいと考えていたが、今は自分を変えたいと思っている。」と涙ながらに語りました。
ホームズ被告は、セラノスの新しい技術を使えば数滴の血液で様々な検査を行えるとうたい、多額の投資を集めていました。しかしその後、そうした技術は存在せず、虚偽であったことが明らかになっています。検察側は、間違った検査結果を受け取った患者への配慮に欠け、シリコンバレーの中でも最も悪質な犯罪だとして禁固15年を求刑していました。一方の弁護側は、被告が起業家で悪意はなく、幼い子供の母親であることから自宅軟禁、または最大でも禁固18カ月を求めていました。
シリコンバレーのスタートアップの間では、資金集めのために詐欺めいたはったりを使うことはよくあるとされ、問題視されていました。今回の量刑の重さは、そうした行為を今後は厳しく取り締まる姿勢を示したものだと言われています。