ジョージア州で去年2月にジョギング中の黒人男性が銃で撃たれて死亡した事件の裁判で、白人の被告3人に有罪評決が言い渡されました。
24日水曜日、陪審団は引き金を引いた元沿岸警備隊員のトラビス・マクマイケル被告、その父親で元警察官のグレゴリー・マクマイケル被告、隣人のウィリアム・ブライアン被告、3人に殺人罪を含むほぼ全ての罪状で有罪評決を出しました。去年2月、3人はジョギング中だったアマード・アーべリーさんをトラックで追いかけ、銃で殺害。その時の映像がソーシャルメディアで拡散したことがきっかけとなり、殺人などの罪で逮捕、起訴されました。
裁判で弁護側は、アーベリーさんが建築中の住宅の敷地内に入ったことから、周辺地域で被害が出ていた窃盗の犯人だと思い込み、一般市民が現行犯を逮捕する私人逮捕を試みたとし、銃撃は命の危険を感じたことによる正当防衛だと主張していました。しかし、アーべリーさんが何かを盗んだ形跡はなく、武器も所持していませんでした。最終弁論で検察は「彼らがアーべリーさんを攻撃したのは、彼が黒人男性だったからです。」と語りました。
ジョージア州の法律では殺人罪の量刑を最低でも終身刑と定めており、検察側は保釈の可能性なしの終身刑を求めるとしています。裁判を見届けたアーべリーさんの母親は「有罪評決がでる日が来るとは思いませんでした。神のおかげです。息子はようやく安らかに眠ることができます。」と語りました。この事件をきっかけに、ジョージア州は一般市民による私人逮捕の権利を認める法律を廃止しました。3人の弁護団は、評決を不服として控訴する方針だということです。