アメリカでは毎年、各地でサンクスギビングに向け、必要な人のために無料でターキーや食料品の配布が 行われています。今年は、例年以上の行列ができました。
今年は新型コロナウイルスの影響を受け、ドライブスルーにしたり、並ぶ際にソーシャルディスタンシングを保ったりと感染対策を取った上で、ターキーが配られました。ターキーを提供している団体によると、今年は例年の倍以上の人が並んだといいます。ターキーを受け取った人は「支援のおかげでサンクスギビングの食事ができます 」と語りました。毎年、このプロジェクトを監督している女性は「これまで経験したことがない程の需要です 」と語り、今年の需要の多さに驚いたといいます。
3月にパンデミックが始まって以来、全米の食料支援の需要は増加していて、アメリカ最大の食料支援団体「フィーディング・アメリカ」は、5000万人の市民が「十分に食事をとれない状況にある」と予測していて、パンデミック前と比較して43%増加しています。また、4人に1人の子供が十分な食事を与えられていない状況です。「フィーディング・アメリカ」のCEOは「ホリデーと冬の到来を特に心配しています。いま支援を受けている40%の人は、これまで食料支援に頼る必要のなかった人たちです。」 と語りました。
そうした中、12月末に2つの経済支援策が期限を迎え、およそ1200万人が支援を失うと予測されています。期限を迎えるのは、自営業やフリーランスの人たちへの失業手当と、給付期間を延長していた州の失業手当です。同時に12月いっぱいで、家賃が未払いになっている人の立ち退きを禁止する措置が失効することになっており、失業手当と住まいを同時に失う深刻な事態になりかねないと心配されています。議会では追加支援策の交渉が暗礁に乗り上げており、何らかの対策が急務だと専門家は指摘しています。