楽しいはずのクリスマス休暇が一変、記録的寒波の影響で欠航が相次ぎ、旅行客は空港で足止め。サウスウエスト航空は連日2000便以上を欠航する事態となり、運輸省が調査に乗り出しました。
クリスマス休暇で旅行者が多い中、寒波の影響で欠航便が相次ぎました。旅行者は「3時間も機内で待たされたあげく欠航になりました。しかも、次に乗れる便は30日です。」と語りました。また他の旅行者は「最悪のクリスマスです。」と語りました。空港には無数の手荷物が放置されたままになっています。ABCニュース記者は「デンバー国際空港では、荷物がたまっています。持ち主はどこかの空港で立ち往生しているか、列に並んで待っているのでしょうが、ほとんどが移動できずにいます。」と伝えました。
特にサウスウエスト航空は欠航が多く、26日月曜日に2900便以上と予定の70%以上が欠航、火曜日はおよそ2700便、水曜日は2500便以上、木曜日は2300便以上と、連日多くの便が欠航となりました。サウスウエストではバスを貸し切り、一部の区間で乗客を目的地に移動しました。このバスは、ニューヨークからテキサス州ヒューストンまで乗客を運びました。バスを降りた乗客の1人は「サウスウエストなんて大嫌い。さらに9時間運転しないと目的地に着きません。怒りがおさまりません。」と語りました。サウスウエスト航空のボブ・ジョーダンCEOは「通常の運航に戻すために手を尽くしています。大変申し訳ありません。」と謝罪しました。
サウスウエストは、地点ごとの直行便を主体に運航しており、大手航空会社のハブ空港を拠点とする運航に比べて運航計画が乱れると広範囲に影響します。また、パイロット協会によると、サウスウエストは時代遅れのIT技術を使っており、乗組員さえも、遅延便の更新や次の搭乗便が決まるまで何時間も待たされたといいます。サウスウエスト航空パイロット協会 ケイシー・マレー会長は「プロセスの見直しが必要です。サウスウエストが今の1/4規模だった90年代と同じ技術を使っています。現代の運航ネットワークの複雑さに対応できていません。」と語りました。
運輸省は、容認できない大量の欠航便と顧客サービスの欠如に懸念があるとして、サウスウエストの調査に乗り出しました。ピート・ブティジェッジ運輸長官は「天候の影響だけではない事態です。他の航空会社は週末に復旧しました。」と語りました。
29日木曜日、サウスウエストは、30日金曜日にほぼ通常通りの運航に戻る予定だとし、欠航の影響で旅行者が負担した食費、宿泊費、代わりの移動にかかった交通費などの一部を補償すると発表しました。
そうした中、28日水曜日、CDC疾病対策センターは来年1月5日から、中国から入国する渡航者に対し、出国前2日以内の新型コロナウイルスの検査と陰性証明の提示を義務付けると発表しました。