先週もお伝えした、一時最強レベルまで発達したハリケーン「ベリル」。 週末テキサス州に上陸し大きな被害が出ました。 一方でアメリカは西部から東部の州ほぼ全域に渡って、熱波が覆っていて山火事の発生や熱中症の被害が急増しています。
8日月曜日の朝、「ベリル」はテキサス州に上陸、すでにレベル1のハリケーンと勢力を弱めていましたが、風速は時速97マイルと猛烈な風と、多いところでは、12インチ近い雨を降らせました。風などにより送電線が倒れるなどし、一時200万人が停電の影響を受けました。この被害によりテキサス州で少なくとも6人が死亡しました。 避難する車などが、冠水した道路で立ち往生し、ヘリコプターで吊り上げるなど救助が各所で行われました。
救出された男性
「あっという間に増水し、雨の降りも激しかった
早く来てくれて助かった」
家屋も、風と雨の被害を同時に受け、大きく破壊されました。
家が被害にあった家族
「こんなに近くにハリケーンが来たことなかった。被害は重大だわ」
テキサス州、アーカンソー州、ルイジアナ州では、「ベリル」上陸と同時に、十数件の竜巻が発生したと報告されており、被害者の中には、倒木が直撃して死亡した人もいます。 テキサス州の海岸沿いの街ガルベストンでは、ほとんどの家が冠水し電力の復旧までに2週間かかると言われています。
一方で全米各地では、先週から広範囲な熱波に覆われています。カリフォルニア州では、この熱波などにより少なくとも17件の山火事が発生。サンタバーバラ郡の山火事では、およそ1万2000エーカー(48.5平方km)を焼失、それぞれの火災地域で避難警告が出されています。
全米1暑い観光地として有名なデスバレーでは、華氏132度、摂氏では55.5度と言う値を示しています。オレゴン州では暑さに関連した事故で10人が死亡、観光地グランドキャニオンでは、3人のハイカーが死亡しています。
観光客
「オーブンの熱より酷いくない?」
「確かに180度のオーブンの中みたいだ」
カリフォルニア州では、2013年から2022年までの暑さ対策の費用を算出し、その額は77億ドル、およそ1.2兆円に上りました。
今回の熱波では、全米で少なくとも1億5000万人が猛暑の警報下にあり、ニューヨークやボストンなどの北部の都市でも最高気温が40度近くにまで達しています。テキサス州では木曜日の時点で少なくとも100万人の世帯で停電が続いておりハリケーン後の熱波の中、冷房が使えないという厳しい状況が続いています。さらにイリノイ州やニューヨーク州などではデング熱などを媒介する蚊の大量発生が報告され警戒が呼び掛けられています。