メキシコからの不法移民の増加に伴い国境をめぐる問題が日増しに大きくなっていく中、共和党が多数を占める下院では、30日、火曜日、マヨルカス国土安全保障長官の弾劾訴追案を可決しました。
下院の国土安全保障委員会は、メキシコ国境からの不法移民流入の急増に対応できていないとして、マヨルカス国土安全保障長官の弾劾訴追の決議案を賛成多数で可決しました。
マーク・グリーン下院議員「マヨルカス長官は、法律よりも政治志向を優先している」
マイケル・ゲスト下院議員「長官は、宣誓した議会の証言で『国境の安全は保たれている』という嘘をついた」
マヨルカス長官は文書で、「告発は根拠がなく不正確である」「共和党の告発で、動揺したり方針を変えたりしない」と反論しています。
ABCニュースでは、弾劾法案は、民主党が過半数の上院を通過する見込みはないが、国境移民問題に対策を示せていないバイデン政権には痛手となると伝えています。
寛容な移民政策を掲げてきたバイデン大統領ですが、先月27日、国境管理強化に向けて超党派で議論されている法案について述べ、移民流入を止めるため一時的にメキシコ国境を閉鎖する考えがあると明らかにしました。
バイデン大統領「この法案を通せば、今すぐ国境を封鎖し政策を修正する」
一方、この不法移民・国境問題は、トランプ前大統領が、今年の大統領選の戦いに向けて、相手・バイデン大統領の弱点として、最大の争点として掲げていたこともあり、法案を受け入れる姿勢のバイデン大統領を強く批判しています。
トランプ前大統領「共和党のトップとして、現政権の最悪の国境政策の裏切りを絶対に認めない」
国境問題に対するバイデン大統領の方針転換とも言える発言は、トランプ氏との大統領選を見据えて、先手を取ったものとも言われていてこういった動きに批判的な見方もあります。