深刻な状況が続く新型コロナウイルスですが、現在の感染拡大が一度収束しても、第2波に襲われる可能性があるとして、ワクチン開発や抗体検査が急がれています。
アメリカでは先月から、人を対象としたワクチンの臨床試験が行われています。いまのところボランティアでワクチンを受けた人に目立った副作用はなく、経過は順調だといいます。
また、ミシガン州にあるボーモントヘルスセンターでは、従業員3万8000人に対し、新型コロナウイルスへの免疫となり得る抗体を持っているかの大規模な検査が行われています。ここで働くタイラーさんは、今年の2月に高熱を出しましたが、新型コロナウイルスに感染していたかどうかはわかりませんでした。今回の検査で抗体を持っていることが判明しましたが、抗体をもっていても、新型コロナウイルスに対しての免疫があるかどうかはまだ結果待ちだといいます。
CDC・アメリカ疾病対策センターの所長はこの抗体検査を、感染拡大の第2波が来る前に広く実施する必要があると指摘しています。1918年の3月に感染が拡大したスペイン風邪は、その年の後半に起きた第二波の感染拡大で死者が大幅に増えたことから、新型コロナウイルスも第2波で更に被害が深刻化する可能性があると警戒されています。
医療現場では、感染から回復した人の血液から作った血漿を重症患者に摂取する血漿療法も行われ、一定の成果をあげていると言います。しかし、まだ実験段階のため、広くこの治療が行われるようになるためには、より研究を進めて確かな効果を実証する必要があるということです。