全米の新型コロナウイルスの感染者数はきのうまでに8万人を超え、中国を抜いて世界で最も多くなっていることがわかりました。死者は1000人以上に上っています。
ニューヨーク州では感染者数が3万7000人を超え、24時間で100人以上が死亡しました。入院者数も1日で40%増加していて、1台の人工呼吸器を2人の患者に使用することを認める苦肉の策をとっています。また、増え続ける患者の治療に一刻も早く当たれるよう、医学生の早期卒業を認める大学も出ています。ルイジアナ州でも急速に感染が拡大していて、これまでに2300人以上が感染、少なくとも83人が死亡しています。ミシガン州でも感染者が3000人に迫るなど、全米各地で感染者が急増しています。
一方、新型コロナウイルス対策のための屋内退避令などにより、アメリカでは先週一週間で、記録的となる約330万人が失業保険を申請したことが明らかになりました。アメリカ人の3人に1人が、自分、または家族がこの感染拡大の影響で解雇されたと答えているほか、半数が、給与や就労時間を減らされたと答えています。
トランプ大統領は昨日、各地の州知事に書簡を送り、地域別にリスクが高い、あまり高くない、低い、の3段階に分けてそれぞれの新たなガイドラインを設ける意向を示しました。トランプ大統領は、各地の感染拡大防止の措置を緩和させ、アメリカの経済活動を近く再開させたいとしています。
25日に議会上院が可決し、今日下院での通過が見込まれている2兆ドル規模の景気刺激策では、年収7万5000ドル以下の人に1200ドル、子供1人につき500ドルを支給する救済策が盛り込まれています。成立すれば4月上旬には支給が始まるということです。