不法移民の流入を阻止するためにテキサス州知事が設置した、危険度の高い有刺鉄線の壁に関して連邦最高裁判所が、撤去を支持する判決を下しました。
22日、月曜日、連邦最高裁判所は、テキサス州がメキシコとの国境に設置した、長さ29マイル、およそ47キロメートルの有刺鉄線の撤去を認める判断を下しました。
最高裁判所の判事9人のうち、保守派のロバーツ長官など5人が撤去を求める政府の主張を支持しました。
テキサス州では、移民政策で政府と対立するグレッグ・アボット州知事が、州内に入った移民を、移民受け入れに寛容なニューヨークやシカゴなどの都市に、バスや飛行機などを使い大量移送するなど、不法移民に対して厳しい措置をとってきました。
アボット知事は、メキシコとテキサスの国境のリオグランデ川沿いにこの有刺鉄線を設置しましたが、去年10月に、政府の国境警備隊員がこの鉄線を切断した際、「テキサス州の資産を損壊し、州の国境安全措置を妨害した」として国境警備隊を訴えていました。
アボット州知事らのこの訴えに対しバイデン政権は、有刺鉄線の措置は、極めて危険で非人道的であり国境の安全保持などは、州ではなく政府の管轄だと主張していました。レーザーワイヤーと呼ばれるこの有刺鉄線は、鋭利なカミソリをつなげて鉄線にしたようなものでワイヤーよって肌が切り裂かれた移民らの傷はひどく、病院での治療が必要だと治療しなければならないほどだとABCニュースでは報じています。
テキサス州では、2年前から州外への不法移民の移送を継続していて、その人数は2024年1月時点で既に10万人を超えています。