トランプ前大統領が関連する裁判で、本人が出廷したニューヨーク州裁判所の判事が、トランプ氏の暴言に対する『かん口令』を下していますが、別な裁判が進行中のワシントンDCの連邦地裁からもトランプ氏に新たな『かん口令』が出されました。
前回のニューヨーク州裁判所での『かん口令』は、トランプ氏が、SNSで裁判所スタッフに関して個人攻撃を行った事に対する禁止命令でしたが、今回の命令は、刑事被告の立場のトランプ氏が検察官や証人らを中傷し侮辱する発言についての『かん口令』です。
連邦地裁のターニャ・チュトカン判事は、16日、月曜日、「刑事事件の被告が、検察官に対して『頭がおかしい』とか『チンピラ』などと公言するなどあり得ない事。私は一切許さない」とし、ソーシャルメディアへの投稿も含めて、検事や裁判所職員、証人らの名誉を傷つけたり挑発・脅迫したりする言動を禁止しました。
トランプ氏が『かん口令』に従わなかった場合の罰則の候補として、保釈の取り消し、罰金、自宅軟禁などが挙がっています。
トランプ氏は、度重なる裁判所から『かん口令』に対して不満を露わにしていますが、直接的な表現は抑えたトーンになっています。
トランプ氏「アメリカが勝利し民主主義を取り戻すためなら、私が刑務所に行くこともいとわない事を奴らは理解していない」
一方、チュトカン判事は、トランプ氏がバイデン政権や司法省への批判や、裁判が「政治的な動機に基づく」といった主張は容認する考えを示しました。
トランプ氏側は、広報を通じて「『かん口令』は違憲で、裁判所の判断は民主主義に背いている。
現大統領が恐れるトランプ氏への口封じを許している」と非難しています。
トランプ氏は、17日火曜日、およそ2週間ぶりに、ニューヨーク州裁判所で行われているトランプ一族企業の詐欺に対する裁判に出廷し、メディアに対して「詐欺はしていない」と容疑を否認しています。