新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための行動制限が各地で続く中、トランプ大統領がアメリカの経済活動再開に向けた新たなガイドラインを発表しました。
アメリカでは先週1週間で、新たに520万人が失業保険を申請したと発表されました。その数は過去4週間で2200万人に上ります。
トランプ大統領はきのうの会見で、アメリカの経済活動を再開させるためのガイドラインを発表しました。国の経済再開を決めるのは大統領だと主張していたトランプ氏ですが、きのうは具体的な時期や方法についての決定を下すのはあくまで各州の知事だとして、党派を超え、知事たちと協力して進めていくと語りました。
発表されたガイドラインでは、経済活動の再開が3段階で実施されることが示されていて、第一段階に進む前に、州内で感染の症状を訴える人と検査で陽性になる人が2週続けて減少する必要があります。また州が、医療従事者に対し抗体検査を含めた確実な検査体制を敷くことなども求められています。
これらの条件を満たし、経済再開に向けた第一段階を迎えた州も、ソーシャル・ディスタンシングは守り、10人以上の集会は引き続き避けるよう要請されています。その後2週間、感染が再び増加することがなければ第二段階に入り、レストランや映画館、バーなどが、感染防止に必要な距離を保ちつつ営業を再開することができるとしています。
東海岸と西海岸に加え、中西部でも、近隣の州が経済再開に向けて連携する動きが広まっていて、オハイオ州の知事は、一部のビジネスを、来月1日をめどに再開させたいとしています。
一方で、増加を続ける全米の新型コロナウイルスによる死者数はきのうまでに約3万3000人にのぼり、ワシントンDCやニューヨーク州などでは現在の屋内退避令を少なくとも来月15日まで延長することが決まっています。ニューヨーク州では、新たな入院患者数や死者数は少しずつ減少していますが、15日の死者数は606人と、いまだ高い水準となっています。