アラスカ航空で旅客機に搭乗していた非番のパイロットが、飛行中エンジンを停止させ墜落させようとした事件で訴追されたパイロットが24日、裁判所に出廷しました。
旅客機を飛行中に墜落させようとしたアラスカ航空のパイロット、ジョゼフ・エマーソン容疑者(44歳)は乗客乗員83人に対し、83件の殺人未遂などの罪で訴追され24日(火曜日)罪状認否のためオレゴン州の裁判所に出廷しました。
エマーソン容疑者は、事件の48時間前に向精神作用がある「マジックマッシュルーム」と呼ばれる幻覚キノコの薬物を服用したと証言し、その後およそ40時間寝むれず神経がおかしくなっていると供述しています。
22日(日曜日)、エマーソン容疑者はワシントン州エベレットからサンフランシスコに向かう飛行機に搭乗。
この日、非番だったエマーソン容疑者は次の担当フライトの出発地サンフランシスコに移動するため操縦室の補助席に座っていたということです。
パイロットが、操縦室でエマーソン容疑者と会話をしていましが、突然装着していたヘッドセットを投げ飛ばし「もうだめだ」と言ったということです。
そしてエンジンへの燃料を止める緊急用の消火レバーを引こうとしましたが、パイロットの1人が止めに入りエマーソン容疑者ともみあいになったということです。
もし消火装置が作動していたら旅客機のエンジンは停止し墜落する恐れがありました。
エマーソン容疑者はその後、自らコックピットを出て客室乗務員に「私に手錠をはめてくれそうでないと大変なことが起きる」と伝えたということです。
容疑者は、手を結束バンドで縛られて旅客機の一番後ろの席に座らされ、緊急着陸したオレゴン州ポートランドの警察に逮捕されました。エマーソン容疑者は航空会社におよそ20年勤務しておりこれまで勤務態度などに問題は報告されていません。
警察の事情聴取では半年ほど前からウツ状態に悩まされ最近友人が亡くなった。幻覚キノコを服用したのは今回が初めてだったと語っています。
あわや大惨事になりかねなかったこの事件。パイロットの素早く機転の効いた行動が乗客の命を救ったと賞賛されています。一方、エマーソン容疑者は、FAA連邦航空局の健康診断を先月に受けていてうつ病の症状に悩んでいたことがなぜ明らかにできなかったのか、今後の解明していく必要があるようです。