アメリカの新型コロナウイルスによる死者数は昨日、4万2000人を超えました。一方で感染拡大のピークは過ぎたとの認識が広まっていて、各地では早期の経済活動再開をめぐる攻防も始まっています。
全米で最も感染者数と死者数が多いニューヨーク州では、感染患者の入院者数がおよそ一週間前を境に減少し続けています。 今月の初めには患者が病室に入りきれず、 廊下でも治療を行っていたニューヨーク市内の病院も、今はそうした状況は解消されています。
ニューヨーク州のクオモ知事は、今の行動が2週間後の状況を決めるとして、引き続き、人々に節度ある行動を呼びかけています。また、ニューヨーク市のデブラシオ市長はきのう、プエルトリカンデー・パレードやプライドマーチなどを含め6月の終わりまで全てのイベントを中止すると発表しました。
各地では、経済活動を再開させるよう求める抗議活動が行われており、トランプ大統領はその動きを擁護する発言をしています。しかし、大勢で行うこの抗議活動自体が再び感染を拡大させることにつながる可能性が懸念されています。
検査体制の強化が経済活動の再開の鍵を握ると言われていますが、各州では検査キットが足りていないのが現状で、知事たちは連邦政府に支援を求めていますが、トランプ大統領は「検査は地域でやるもの」とこの要請に応じない姿勢を示しています。クオモ知事は、連邦政府には検査キットを確保するための支援をしてほしいだけだとしていますが、トランプ大統領は、知事たちには各州の研究所の情報を提供しているので、そこに問い合わせるよう求めています。