新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために、多くの国が屋内退避令などの措置をとる中、スウェーデンは一貫して、他国とは異なる対策を取り続けています。
厳しい行動制限が敷かれているヨーロッパ諸国とは対照的に、スウェーデンの首都、ストックホルムは現在も多くの人で賑わっています。スウェーデンでもソーシャルディスタンシングは推奨されているものの、店やレストランなどは営業を続けています。
この結果、5月1日までにストックホルムの人口の3分の1にあたる60万人が新型コロナウイルスに感染すると予想されています。しかし、この対策によりウイルスに免疫を持つ人が広範囲に渡ることで、感染の第2波に襲われた時の被害を抑えることができると期待されています。
一方、スウェーデンでは、感染による死者数は約2000人と近隣諸国に比べて圧倒的に多く、現在の対策が大きな代償を払っているとも言われています。
アメリカで行われている経済活動の早期再開を求める抗議デモではスウェーデンを見習うようにと声をあげる参加者もいます。しかしスウェーデンの保健当局も、この対策が他の国でも効果的かについては疑問視しています。