アメリカでの感染のピークは過ぎつつあると言われる新型コロナウイルスですが、経済活動再開の時期や、この秋に来るとされる第2波についてなど、様々な場面で議論が起きています。
新型コロナウイルスによる全米の死者数は昨日、4万7000人を超えました。感染のピークは過ぎたと言われているニューヨーク州でも、1日の死者数は今も400人を超え、減少していた新たな入院患者も1300人台で横ばいが続いています。また、州が行った3000人を対象にした抗体検査では、約14%の人が抗体を持っていたことがわかりました。ニューヨーク市に限定するとその数値は21%を超え、これまでの認識以上に感染が広がっていた可能性が指摘されています。
ウイルスによるアメリカでの最初の死者も、わかっていたよりも約3週間早かったと見られ、カリフォルニア州のニューサム知事は、感染がいつ始まったのかの調査を去年の12月まで遡って行うよう指示しました。アメリカでは、感染が確認されていたのは3月1日の時点でわずか23人でしたが、この時すでに大都市で感染は拡大していて、実際にはその数は2万8000人に上っていたのではないかと考えられています。
そんな中、ジョージア州では今日から、ジムやボーリング場などの営業再開が許可されていて、これには「早すぎる」と懸念の声も上がっています。ケンプ知事は、「ジョージア州の人々の命と生活を守るために、この方針を進めていく」として経済活動の再開を断行する意向ですが、営業を再開するビジネスオーナーにも、不安を口にする人は少なくありません。
一方、ホワイトハウスでは、ワシントンポスト紙が、CDCのレッドフィールド所長の言葉として、この秋に来る可能性がある感染拡大の第2波は「今回よりもさらに困難になる」と報じたことに対し、メディアが誤った報道をした、としてトランプ大統領が訂正を求める騒動がありました。
トランプ大統領は、新型コロナウイルスの第2波が全くこない可能性もあると語りましたが、その数分後には国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長が、規模はわからないが、この秋に再び感染が拡大するのは間違いないと語っています。また、昨日の会見でトランプ大統領は、このウイルスが暑さと湿気に弱い可能性があるとの研究結果を明らかにしましたが、これもまだ研究の途中で、夏になればウイルスの勢いが収まるかどうかを断言できる段階ではないということです。