アメリカでは、新型コロナウイルスの感染者数が100万人をこえました。 50万人を超えた今月10日から半月余りで感染者数が倍増したことになります。 新型コロナウイルスによる全米の死者は、5万8千人を超えました。一方、各州で経済活動再開に向けた動きも進んでいて、航空会社各社も独自の対策を発表しています。
感染が深刻なニューヨーク州では1日の新たな入院患者が1カ月以上ぶりに、 1000人を下回り、感染のピーク時に比べて70%減少しました。 また、1日の感染による死亡者数は335人で減少を続けています。 しかしクオモ知事は「感染者の増加や、医療崩壊 が起きない状態で経済活動を再開したい」と経済活動再開には慎重な姿勢を見せてます。
公衆衛生の専門家は、経済活動再開には検査がカギだとしていますが、 ニューヨーク市のマンハッタンでは感染を調べる検査や抗体検査は2時間待ちで、すぐには検査が受けられない状況が続いています。 一方、ペンシルベニア州のフィラデルフィアでは、感染拡大防止のために、医療が行き届いていないアフリカ系アメリカ人のコミュニティで無料の検査が行われています。 各州の知事が一斉に検査拡大の支援をトランプ大統領に要請したことを受けて、トランプ大統領は、連邦政府も尽力するとしましたが、「国の経済活動再開をしたいが、検査は問題ではない」とも発言しています。政府は、州が人口の2パーセントの検査を可能にするとしていますが、専門家はそれでは足りないとみています。
一方、経済活動再開が始まっているジョージア州では、レストランで客が飲食する姿も見られました。しかし48時間で死亡者が100人を超え、住民からは時期尚早だと心配する声も出ています。 ジョージア州に隣接するアラバマ州では感染者数が増加しているにもかかわらず、今週末から限定的にも多くのビジネスを再開させると知事が発表しました。
各州でこうした経済活動の再開を巡る動きがある中、航空機の乗客も徐々に増え始めています。 アメリカン航空は、3列席の中央の座席は空けて、マスクを乗客に提供すると発表していますが、マスクを着用するかどうかは乗客次第だということです。また、ジェットブルー航空では、すべての乗客にマスク着用を義務付ける意向を示しています。 そのほかユナイテッド航空は乗客が隣り合わせに座ることを避けるなど各航空会社が対策を打ち出しています。今後こうした機内でのソーシャルディスタンシングが義務化されれば航空券の値上がりはやむを得ないとメディアは伝えています。