連邦政府が出したソーシャルディスタンシングなどのガイドラインが4月30日で期限を迎えますがトランプ大統領は、延長はしない方針を示しています。そんな中、アメリカでの新型コロナウイルスによる全米の死者は6万人を超え、ベトナム戦争による死者数を上回りました。治療薬やワクチンの開発が急がれる中、注目されている抗ウイルス薬についての臨床試験の結果が発表されました。
4月29 ホワイトハウスで国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長が抗ウイルス薬「レムデシビル」の新型コロナウイルスに感染した患者に対する臨床試験の結果を「レムデシビルには回復を早める明確で有意な効果が見られました。この薬が新型コロナウイルスを阻止できることを示しています」と高く評価しました。レムデシビルは、エボラ出血熱のために開発された抗ウイルス薬で、いくつかの副作用があることが知られています。臨床試験では薬を投与した患者と投与していない患者を比較し、結果は、投与された患者の回復期間が11日間に対し、投与していない患者が15日間、致死率は投与した患者が8%、投与していない患者が11%だったということです。現在は、すべての感染している患者に対し薬の投与の提案がされています。レムデシビルを投与後、回復した男性は投与から48時間後にかなり回復したと語っています。製薬会社大手ファイザーはワクチンの臨床試験を早ければ、来週にも開始すると発表。今年の秋には緊急用に使用可能だということです。
感染が拡大しているニューヨーク州では、1日の新たな感染者が957人、1日の感染による死者が330人といまだ深刻な状況が続いています。そんな中、ニューヨーク市のブルックリンではユダヤ教徒による伝統的な葬儀で多くの人が集まり、警察が出動する事態が起きました。
一方、子供が新型コロナウイルスへの感染で、臓器が炎症する症状が報告されています。ルイジアナ州に住む12歳の少女は、新型コロナウイルスに感染し、一時、心不全に陥ったということです。病院で呼吸器を付けるとすぐに少女の心臓が止まり、救命措置がおこなれました。2分間におよび心肺蘇生が行われたといいます。診断では、少女の心臓と血管が炎症をおこし、心臓は肥大していたということです。現在、少女は回復していますが、こうした症状に陥ると、3分の1の子供が死に至るといいます。治療にあたった医師は「「心不全の急激な悪化が特徴です。心臓がウイルス感染にさらされている状態です。」と語りました。まだ事例は少ないものの、ヨーロッパでも感染した子供が臓器の炎症を起こした例が報告されていて、警戒が必要です。
WHO:世界保険期間はヨーロッパ各国の子供の間で心臓を含め全身の血管に炎症を起こす症状が確認されており、これは「川崎病」の症状に似ているとしています。これが新型コロナウイルスによる症状なのか、または新型コロナウイルスが引き金となっているだけなのかは、まだわかっていないということです。