テキサス州で生存の可能性のほぼない胎児を抱える妊婦の訴えで、人工妊娠中絶手術の許可を得る裁判が行われ州最高裁がそれを棄却しました。
去年6月に連邦最高裁が、人工妊娠中絶は違憲だとする判決を下してから中絶の許可を求める裁判はこれが初めてとされています。
31歳のケイト・コックスさんは妊娠21週目を迎えています。胎児はエドワード症候群とよばれる染色体の異常で出産後の生存率は低く母体への健康被害と再び妊娠することができなくなることが懸念されるとしてコックスさんはテキサス州裁判所に中絶の許可を求めていました。
テキサス州は妊娠およそ6週間から、性的暴行や近親相姦による妊娠についても中絶を禁止する全米でも最も厳しい法律があり、母体が生涯において損傷を負うまたは命の危険にさらされる場合のみ例外として中絶を許可しています。
中絶の許可を求める裁判をおこしたケイト・コックスさん私の場合はその例外として当然認められると見ていました、コックスさんの訴えは7日(木曜日)州の下級裁判所で一旦は認められ中絶を許可する判断が下されました。しかしテキサス州司法長官がコックスさんは州法の条件を満たしていないとして上訴。11日(月)に州最高裁で中絶の要請は棄却されました。
アメリカン大学マイケル・ベルモンテ産婦人科医裁判の判決は、人の生死をコントロールし医師に代わり患者にとって最善の医学的な判断をしようとしているコックスさんの弁護士によると、コックスさんはコロラド州やカナダから中絶手術を行う支援の手が差し伸べられたということです。
コックスさんは体調を考慮して州最高裁の判断を待たずに、合法的に中絶手術を受けるため、州外に出たということです。テキサス州の法律では違法に人工妊娠中絶手術を行った医師には最大で99年の実刑と最低10万ドルの罰金が課せられます。