アメリカでの新型コロナウイルスによる死者数が昨日1万人を超えました。一方、最も深刻な事態のニューヨーク州では、感染拡大が落ち着いてきたのではないかと希望の声も出ています。
ニューヨーク市の大型展示場、ジャビッツセンターに作られた仮設病院では、軍の医療チームが新型コロナウイルスの感染患者の受け入れを続けています。ここは2500床のベッドを備えた全米最大規模の仮説病院ですが、それでも足りないとしてニューヨーク州のクオモ知事は、新型コロナウイルスの感染者以外の患者を受け入れるためにニューヨーク市に入港した海軍の病院船でも感染患者を受け入れるようトランプ大統領に要請しました。1000床のベッドを備えるこの病院船には現在、40人の患者しかおらず、トランプ大統領はクオモ知事の要請を受け入れ、ニューヨーク州と、ニュージャージー州からの感染患者の受け入れを許可したということです。
ニューヨーク市ブルックリン地区にある病院では、14分ごとに新たな患者が運ばれてくる状態で、遠くはユタ州などからも、ボランティアの医療従事者が参加し治療に当たっています。
ニューヨーク州ではこれまでに4700人以上が新型コロナウイルスに感染して死亡していて、また死者が1000人以上にのぼるニュージャージー州では、呼吸困難に陥ったという感染患者の緊急通報を数分おきに受けている状態だといいます。
その一方でニューヨーク州のクオモ知事は、入院患者や1日の死者の数などは減少傾向にあることから、感染拡大が落ち着きつつある可能性についても言及しました。しかし、人と一定の距離を取る、などの現在の対策を怠れば、感染者数や死者数は再び増加する恐れがあるとして、人々に引き続き警戒するよう呼びかけています。