多くの州が経済活動の一部を再開させる中、屋内退避令の期限が今週末に切れる予定のニューヨーク州のクオモ知事は一部地域で経済再開の準備を始めるとしました。
新型コロナウイルスによる全米の死者数は昨日、8万人を超えました。感染拡大が最も深刻なニューヨーク州では、延長されていた州全体の屋内退避の措置が今月15日で期限を迎えます。クオモ知事は昨日の会見で「新しい段階に進む」として、一部の地域で経済再開の準備を進め、早ければこの週末から再開できるとしました。しかし、今も1日に約100人が死亡しているニューヨーク市については、制限を緩和するのはまだ危険だとして、少なくとも6月までは行動制限が続くだろうとしています。
ニューヨーク市では、感染によってこれまでに1万4000人以上が死亡したことがわかっていますが、CDC・米疾病対策センターの新たな報告によると、3月中旬から5月にかけてさらに5300人近くが新型コロナウイルス関連で死亡した可能性があるということです。
現在は45の州が経済活動の一部を再開させていますが、その多くが、連邦政府が出したガイドラインで定められている14日間連続で感染者数が減少する、などの条件を満たしていませんでした。カリフォルニア州アラメダ郡にある電気自動車メーカー「テスラ」の工場は、郡の行動制限の措置に背いて工場の生産ラインを再開させたほか、州北部で週末に行われたロデオの大会には数千人が集まりました。コロラド州のカフェは多くの客で混み合っていて、フロリダ州では、人々がソーシャルディスタンシングを守らなかったため再び閉鎖されたビーチもあります。
一方、新型コロナウイルスとの関連が疑われる川崎病に似た症状を発症する子供は増え続けていて、10州とワシントンDCで調査が行われています。ニューヨーク州では93人が同様の症状を発症し、少なくとも3人が死亡しました。川崎病はほとんどの場合、5歳未満の子供がかかる病気として知られていますが、新型コロナとの関連が疑われる症例は年齢が比較的高く、19歳で発症したという報告もあるとして注意が呼びかけられています。