アメリカでの新型コロナウイルスの感染による死者は9万1千人を超えました。そうした中、今日から、全米すべての州で一部の経済活動が再開されます。再び感染が拡大することが懸念される中、すでに再開を進めていた州では、いまのところ感染状況に影響していないことが
明らかになっています。
行動制限を続けていた最後の州、コネティカット州でも、今日から一部の経済活動が再開されます。これで50州すべての州で段階的に経済活動が再開されることになりました。レストランなどが再開される一方、ヘアサロンの再開は先送りとなりました。全米ではじめて経済活動を再開したジョージア州は、トランプ大統領からも再開が早すぎるとの指摘がありましたが、再開から3週間たった現在、急激な感染の拡大はありません。また、ABCによりますと行動制限を緩和して2週間以上が経過している21の州でも、入院患者や死者数の急激な増加はみられていません。
その一方で、行動制限の緩和による感染リスクに警戒を促す調査報告もあります。CDCアメリカ疾病対策センターの発表で、アーカンソー州の教会で3月上旬にクラスターが発生していたことが分かりました。これは、アーカンソー州で初めて感染が確認された時期よりも前のことで、教会にいた3分の1にあたる92人が感染、3人が死亡しました。
ニューヨーク市では、経済活動再開に向けて感染リスクを抑えるための新たな試みが行われています。地下鉄車両やバスの中で紫外線を照射し、ウイルスを除去する試験的なプログラムです。MTAによると、研究では紫外線で新型コロナウイルスが根絶しているということです。
一方、韓国の疾病予防管理局は新たな研究から、新型コロナウイルスへの2度目の感染はないとの見解を発表しました。新型コロナウイルスに感染した患者が回復後に、再び陽性反応がでた事例が報道されていましたがこれは誤検出、いわゆるフォルスポジティブだったと考えられるということです。ただ、暫定的な結論であり、一度感染したことでできた免疫をどのくらいの期間持続できるのかは分かっていません。