夏の訪れを告げると言われるメモリアルデーのきのう、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各地の戦没者を追悼する恒例のイベントも例年とは違った形で行われました。
ワシントンDC近郊にあるアーリントン国立墓地ではきのう、ソーシャルディスタンシングを守りながら献花式が行われ、トランプ大統領やペンス副大統領などが参加しました。例年、メモリアルデーには各地でパレードが行われますが、 今年は多くのパレードが中止される中、オハイオ州では通常数万人が沿道に集まり行われる152回目のパレードが観客なしでライブ配信されました。
新型コロナウイルスによる全米の死者数は9万8000人を超え、10万人に届こうとしています。さらに少なくとも11の州で感染者が増加していて、特にアーカンソー州では2度目の感染のピークをむかえていると言われています。各地で感染者が増加傾向にあることが懸念される一方で、きのうも引き続き、ビーチやプールなどは多くの人で賑わい、ソーシャルディスタンシングを守らない人も少なくありません。
ミズーリ州のオザークス湖では2日連続で混雑が見られたことから、州の保健当局はきのう「どう行動するかによって私たちは、長期間に及ぶ悲劇的な影響を目にすることになる」と人々に警告する声明を出しました。 また、収容人数を制限しての営業が求められている各地のバーやクラブにも大勢の人が集まり、テキサス州ヒューストンでは、ソーシャルディスタンシングを守っていないという苦情が約300件寄せられたことで、収容人数を25%に抑える規定を徹底するとしています。
現在は50州全てが一部の経済活動を再開させていますが、最新の調査では、スモールビジネスオーナーの半数が今後数週間で資金が底をつくと答えています。そんな中、カリフォルニア州はきのう、州全体の小売店の営業再開を認めると発表しています。また、コロラド州では今週中に、レストランの収容人数を50%まで増やすことを認めるほか、6月1日からは子供のサマーキャンプも認めるなど、経済を回復させるための取り組みを急いでいます。