きのう、およそ2カ月ぶりにニューヨーク証券取引所が再開されました。正常化に向けての明るい兆しが伺える一方で、感染拡大への懸念も続いています。
きのう、ニューヨーク証券取引所がおよそ2カ月ぶりに再開され、ニューヨーク州のクオモ知事が取引の始まりを告げるオープニングベルをならしました。入場には検温が行われ、マスク着用、ソーシャルディスタンシングを保つなど感染防止措置が取られています。ニューヨーク証券取引所は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため3月の下旬から取引フロアが閉鎖され、すべて電子取引で行われていました。景気回復への期待が高まり、26日のダウ平均株価は500ドル以上値を上げて取引を終了しました。また、きのう、ニューヨーク市の郊外、ウエストチェスター郡ニューロシェルでも経済活動の一部再開が始まりました。この地域では、3月上旬にニューヨーク近郊ではじめて集団感染が確認され、一時、封鎖措置が取られていました。
その一方で、これまでの感染による死者は10万人に届こうとしていて、14の州では感染者が増加しています。しかし、トランプ大統領は、最悪の被害は免れたと語りました。経済活動の再開とメモリアル・デーの連休で、週末、各地で人混みが見られました。アリゾナ州のバーでは、マスク着用もなくソーシャルディスタンシングが守られていない状態が見られました。また、ミズーリ州のオザーク湖でのパーティの人混みの映像がメディアなどで連日放送され問題となり保健当局から警告が出されていましたが、きのう、保健当局はパーティに参加したすべての人に14日間の自主隔離を要請しました。こうした感染拡大防止の対策が守られていない状況に政府で新型コロナウイルス対策にあたっている専門家は警戒を高めています。
また、感染が急激に拡大しているブラジルからの外国人渡航者の入国禁止が予定より2日前倒ししてきょうから発動されました。アメリカ国籍や市民権の保有者は該当しません。現在ブラジルはアメリカに次いで世界で2番目に感染者数が多い状況で、感染による死者は2万3000人以上に上っています。