新型コロナウイルス感染拡大を抑制するために、アメリカの保健当局が推奨しているマスクをめぐり、トランプ大統領と民主党の大統領選候補の指名を確実にしているバイデン前副大統領が火花を散らしています。
トランプ大統領は周囲の人がマスクを着用していても自分はつけずに企業の視察などを行い、メディアの前でマスク姿を見せたことはありません。メモリアルデーにアーリントン国立墓地で行われた献花式でも、マスクを着けることはありませんでした。同じメモリアルデーに、行動制限が発令された3月以来初めて公の場に姿を見せたバイデン氏は、デラウェア州の戦没者慰霊碑を訪れ、ジル夫人とともに黒いマスク姿で献花しました。
トランプ大統領とバイデン氏は、互いの政策などを巡って先週末には批判合戦を繰り広げていて、トランプ大統領は「トランプ大統領が公の場でマスクをしたがらない理由がこれでわかるかのでは」というバイデン氏のマスク姿の画像付きツイートをリツイートし、この日のバイデン氏のマスク着用を攻撃材料にしています。これについて質問を受けたトランプ大統領は、マスクの着用自体を批判したわけではないと語りました。一方のバイデン氏は、出演したテレビ番組で「人混みの中でのマスクの着用は世界中の医師が推奨していることだ」として、トランプ氏の言い分は非常に愚かだと強く非難しています。
今年8月にはノースカロライナ州で共和党全国大会が開催される予定ですが、トランプ大統領は、もし知事が8月の大会で会場を満員にする許可を出すとすぐに約束できないのなら、開催を他の州に移す可能性がある、とツイートしました。ノースカロライナ州では新規の感染者数が増加していて、クーパー知事は、州の経済活動の再開は、州民の健康と安全を第一に進めていくと語っています。
トランプ大統領が開催許可をすぐに出そうとしないクーパー知事を批判する中、はやくも新たな開催地にとフロリダ州やジョージア州が名乗りを上げています。一方の民主党は、全国大会の規模を大幅に縮小し、そのほとんどをバーチャル方式で行う可能性も含めて計画中だということです。