現在、アメリカの州の約半分が、経済活動を一部再開しています。各州の知事たちは、新型コロナウイルスの感染抑制と、屋内退避の緩和を求める州民たちの間で難しい舵取りを迫られています。
アメリカの新型コロナウイルスによる死者はきのう、6万7000人を超えました。ニューヨーク州では、1日の死者数は280人と三日連続で300人を割り、感染による入院患者数も3月以降初めて1万人を切りました。
今月1日には、テキサス州とオハイオ州が経済活動を一部再開し、現在はアメリカのおよそ半分の州が屋内退避を緩和しはじめています。一方、長期間に及ぶ行動制限への苛立ちから、各地では取り締まりに反発する人が増えていて、ニューヨーク市では2日、歩道で集まっていたグループが取り締まりを受け3人が逮捕された他、公園などでソーシャル・ディスタンシングの要請に応じなかった51人に召喚状が出されたということです。
州の再開を安全に、円滑に進めるために知事たちは難しい判断を迫られていて、ミシシッピ州では先週、1日で400人の新規感染者と20人の死者が報告されたことで、先月27日から一部再開していた経済を再び閉鎖しました。しかしこの数字は民間の研究所から一度に大量の検査結果が出されたことによる1日限りの増加だとして、知事はきのう、1日でも早く再開の指示を出したいとの考えを示しています。また、買い物で店内に入る時などに、全ての人にマスクの着用を義務付けるとしていたオハイオ州のデワイン知事は、翌日にはその発言を撤回しています。
フロリダ州のデサンティス知事も今日から独自のガイドラインに則った経済活動再開の第一段階に入るとしていますが、マイアミ・デイト郡などの3つの主要な郡は含まれていません。
感染拡大が続いている州でも、経済活動の再開を求める抗議活動は広がっていて、参加者の多くはマスクをつけず、ソーシャルディスタンシングを守ることなく抗議活動を続けています。専門家は、このような人たちがウイルスを家に持ち帰り、さらに感染を広げる結果につながることが非常に気がかりだと警告しています。
今日、新たに7つの州が経済活動の段階的な再開を予定していますが、レストランやショッピングモールも入店する人数を制限するなど、それぞれが違った対策を講じています。