ジョージ・フロイドさんを殺害した罪などで起訴されている元警察官が、検察と司法取引を協議していたことが明らかになりました。 また事件のあったミネアポリスでは、警察組織の改革が進められています。
フロイドさんの死亡事件で第2級殺人罪などで起訴されているデレク・ショーバン被告と検察との間で、先月末の起訴前に殺人などについて有罪を認める司法取引の協議が行われていたことが分かりました。 取引は成立せず、起訴に至ったということです。 一方、第2級殺人ほう助などの罪で拘留されていた元警察官の一人、トーマス・レーン被告が75万ドルの保釈金を支払い、保釈されました。事件当日、レーン被告はまだ勤務4日目で経験の浅い新米警察官でした。
きのう、議会下院の司法委員会に フロイドさんの弟フィロニーズ・フロイドさんが証人として出席し、フロイドさんの死について「人間はもちろん動物にだってあんななことはしません。 黒人の命だって、全ての命が尊いはずです。 兄に戻ってきてほしいです。」と涙ながらに訴えました。また、ショーバン被告の犯行について「個人的な恨みだと思います。 彼らは同じナイトクラブで働いていました。 計画的な犯行だとしか思えません」自身の考えを語りました。フロイドさんとショーバン被告は一時期同じ職場で働いていて 言い争いになったこともあると当時の同僚は証言しています。
一方、ミネアポリス市議会が解体すると宣言したミネアポリス市警察ですが、きのう、メダリア・アラドンド署長は現体制での改革計画案を発表しました。 計画には今後、警察の労働組合と契約について交渉しないこと、不正行為が告発された警察官を監視する新たなシステムを導入し、介入することなどが含まれます。ショーバン被告は18件の告発がありましたが、懲戒処分を受けたのは2件のみでした。ABCニュース記者の「この体制があったら、不正が報告されている ショーバン被告にどう対処していましたか。」 という質問に対し、アラドンド署長 は「早い段階で介入できました。 問題行動はすぐに確認でき、適切な措置が取れました。」と答えました。明日、ミネアポリス市議会は緊急会議を開き、裁判所で承認された警察組織の変革と改革を前進させる見込みです。