先週末、ジョージア州アトランタで飲酒運転の取り締まりを受けていた黒人男性が警察官に射殺された事件を受けて、アトランタの市長は、地元警察に銃の使用規定などの見直しを含めた行政命令を発令しました。
先週金曜日、ジョージア州アトランタにあるファストフードチェーン「ウェンディーズ」の駐車場で、飲酒運転の疑いで取り締まりを受けていたレイシャード・ブルックスさんが、拘束時に抵抗し警察官によって射殺されました。この事件で、射殺した警察官が解雇、もう一人の警察官は内勤に移動となり、 アトランタ警察の本部長が引責辞任しています。
ブルックスさんは逃走しようとした際、警察官から奪ったテーザー銃を警察官に向けていて、捜査当局は事件当時の様子を捉えた映像を注意深く検証し、当時現場にいた警察官たちに刑事責任を問うかを含め調べを進めています。
3週間前にジョージ・フロイドさんが警察官から暴行を受けて死亡した事件を受け、警察への大規模な抗議デモが続く中で起きたこの事件は、デモ隊の怒りを過熱させる結果となり、現場となった「ウェンディーズ」は放火され全焼しました。捜査当局は、放火の疑いで黒いマスクをした女の写真を公開し、逮捕に繋がる情報に1万ドルの報奨金をかけて行方を追っています。
昨日アトランタのボトムズ市長は、再発防止に向けて、警察官の銃使用などの規定を見直す行政命令を発令しました。市長は警察官に、武力行使に踏み切る前に取り締まりを穏便に進めるための技術習得を目的とした研修を受けることなどを求めています。
捜査当局は、今週中にも、事件に関わった警察官に刑事責任を問うかどうかの判断を下すとしています。 ジョージ・フロイドさんの事件に端を発した一連の騒動は警察機関に大きな打撃を与えていて、アトランタ警察ではここ1週間で、8人の警察官が退職しているということです。