売春を強要した男を殺したとして、わずか16歳で終身刑を言い渡されたテネシー州の女性に対し、州知事が恩赦を与えることを決めました。恩赦を与えられたのは、現在も収監されている、シントイヤ・ブラウン受刑者、30歳です。ブラウン受刑者は16歳だった2004年、売春を強要していた男を射殺。その後、成人として起訴され、終身刑となりました。
テネシー州の法律では終身刑の場合、51年間は仮釈放も認められないため、「被害者でもあるブラウン受刑者には量刑が重すぎる」との声が少なくありませんでした。7年前には、ブラウン受刑者の視点から事件を語ったドキュメンタリーが公開されたほか、近年、歌手のリアーナさんやタレントのキム・カーダシアンさんなど著名人も言及したことで、事件は全米で注目を集め、去年から恩赦をめぐる議論が本格化していました。
州知事はブラウン受刑者の恩赦について声明を出し、量刑が重すぎたことを認めた上で、「彼女は刑務所内でも勉強して学位を取得するなど、社会復帰に向け努力を続けた」と評価しました。ブラウン受刑者は収監期間15年となる、今年の8月に出所するということです。