コロラド州で去年、婚約者を殺害し遺体を隠したとして罪に問われた男の裁判が行われ、男に終身刑が言い渡されました。 事件は去年のサンクスギビングデーに1歳の子供を連れて買い物に行ったきり行方が分からなくなっていたケルシー・ベレスさんが、自宅で殺害されていたもので、検察はのちに、ベレスさんの婚約者、パトリック・フレイジー被告を殺人罪で起訴しました。
フレイジー被告の犯行を示す証言や状況証拠はあったものの、遺体や凶器など決め手となる物的証拠が見つからず、裁判の行方は全米の注目を集めていました。そして事件からおよそ1年となる今月18日、陪審団は、フレイジー被告に有罪評決を下しました。
鍵となったのは、フレイジー被告と愛人関係にあった、クリスタル・リー被告の証言です。証言によりますと、フレイジー被告は、ベレスさんを野球のバットで殴りつけて殺害したあと、遺体を燃やしたということです。リー被告はフレイジー被告から現場に呼び出され、現場の血痕を拭き取ったりベレスさんの携帯電話を持ち去って州外に逃げたりして、証拠隠滅をはかっていました。
検察側はさらに、フレイジー被告と同じ留置場で勾留中の人物を証人として呼びました。証言によりますと、フレイジー被告は留置場の中で、「裁判で証言する人たちを、ギャングのコネクションを使って皆殺しにしてほしい」と依頼してきたということです。この証人は、フレイジー被告から渡されたという殺害リストを提出していて、そこにはリー被告の名前もあり、メモに「頭を撃たれた彼女を見たい」などと書かれていました。
フレイジー被告は、リー被告が検察の司法取引に応じて証言を始めたと指摘し、「殺人を犯したのはリー被告だ」として無罪を主張していました。しかし裁判所からは一切受け入れられなかった形で、被告は検察側の求刑通り、仮釈放なしの終身刑に加え156年の禁錮刑を言い渡されました。